Hartung in Japanese

Tomgram: William Hartung, How to Wield Influence and Sell Weaponry in Washington

Posted by William Hartung at 7:53am, November 14, 2017.

Follow TomDispatch on Twitter @TomDispatch.

 

Tomgram (トムグラム):ワシントンで影響力をふるい武器を売る方法 by ウィリアム・ハートゥング

 

①交渉技術、少なくとも武器取引に関しての交渉術に関しては、アメリカの歴代大統領、およびその政権、米国防総省は、その本質的なところではトランプ大統領と長年同じである。その果たす役割は米国の大手武器製造会社のために派手な宣伝をすることであり、非常に大きな利益をあげている。例を挙げると、2015年には、米国は世界の武器セールスにおいては、世界全体の売り上げのうち400億ドル、世界兵器市場では圧倒的な50.2%を占め、トップの座にあった。(ロシアの売り上げは米国のはるか下の3位で、112億ドルであった)また米国は開発途上国への武器売却でもトップであった。この間、米政府は、米国軍事産業の製品を少なくとも100か国に売ってまわった。これはつまり、(国内だけでなく)国際的にも、米国は常に銃器の携帯が認められている国家とういうことになるのである。

 

②トランプ大統領はこの(武器販売の)過程をあからさまに変えてしまった。大統領は初の外遊において「武器調達長官」としての役割を演じた。サウジアラビア、リヤドでサウジに対して1100億ドルの武器売却を達成したことを延々と自慢し続けた。その武器売却に関して言えば、実際はすでに、オバマ政権時代に契約が成立しており、実際には「セールス」とは言えないもので、ただ単に基本合意に達したものもあった。それでも、トランプ大統領は自分の成し遂げた「業績」として、自分の手柄にしたがる。そして話を誇張するというのはトランプ大統領にとっては至極当然のことなのだ。

 

③トランプ大統領は日韓両国訪問の際にまた声高に同じことを行った。両国では、北朝鮮の脅威を利用して、米国の兵器を(言わば)容赦なく売り込み、その一方で取引の可能性と、将来の米国の雇用創出を断言したのである。例えば安倍首相と同席した際に、米国から大量の軍装備品購入が完了すると、日本の首相は「北朝鮮のミサイルを上空で迎撃するであろう」とトランプ大統領が断言した。日韓両国の首脳もトランプ大統領の鎧のような心に取り入るやり方を見出そうとした。そして米国からの武器購入と米国に雇用をもたらすというトランプ大統領の要求についてトランプ大統領のご機嫌を熱心にうかがった。(実際、大統領が売り込んだ武器システムの一つである、F35型戦闘機は日本で実際に組み立てられることになる。)

 

④奇妙なことに、大統領は米国内での武器販売となると(少なくとも、白人相手の武器売却であって、殺人衝動のあるイスラム教徒に対してではないが)、しょっちゅう持ち出す話題「メンタルヘルス(精神上の問題)」を持ち出さなかった。大統領は考えられうるさらに破壊力の大きい武器をアジアや中東に売り込んでいるときに、この問題を持ち出さなかったということは妙なことではないだろうか。幸いなことに、TomDispatchの常連であり、米国武器セールスの専門家であるウィリアム・ハータングはNew Press社が最近出版した「Sleepwalking to Armageddon: The Threat of Nuclear Annihilation」に記載した文章の抜粋の中でその問題を取り上げた。ハータングは米国の武器セールスに関して最も精神的に恐怖を抱かせる局面にいて検証している。それは1950年代以来、核兵器ロビー活動によりあらゆる類の地球破壊規模の兵器がどのようにして米国歴代大統領、国防総省、米連邦議会に売られつづけられているかというものである。もしそれが第1級の精神上の問題の記録でないとしたら、いったい何がそれにあたるんだろうか?トム?

 

核兵器複合産業によってもたらされる「核兵器による過剰殺戮」 ウィリアム・ハータング

 

次の記事は「Sleepwalking to Armageddon: The Threat of Nuclear Annihilation」に掲載されたNuclear Politics 核エネルギー政策」の抜粋を改訂したものである。

 

 

①つい最近まで、核戦争の脅威を心配して目覚めるものはほとんどいなかった。このような核戦争の危険は「冷戦の名残り」のようなもので、核シェルターを作ったり、身をかがめて両手で頭を覆い隠す避難訓練のような時代遅れの慣習を連想させるものである。

 

②とはいえ、ドナルド・トランプを褒めたたえようではないか。核兵器については我々の注意を喚起したのだから。あからさまな警告ではないにしろ、このような兵器が1945年8月6日と9日以来初めて使われる可能性について新たな不安を引き起こしたのだから。大統領執務室にいる男が「世界がかつて見たことのないような炎と怒り」が他国に降り注ぐと脅し始めたり、あるいは大統領選挙中に、不可解にも核兵器に関して「破壊力は私にとっては非常に重要である」と断言したように、我々の懸念を高めたのだ。

 

③トランプ大統領の発言は、少なくともレーガン大統領の「我々は5分後にソ連への爆撃を開始する」というひどい「冗談」、あるいはレーガンの補佐官による発言、「米国は(核シェルターを掘るのに)十分なシャベルがあれば、超大国による核攻撃の応酬を生き延びることができる」と言ったのと同じくらい恐怖を与えるものである。

 

④1980年代であろうと現代であろうとも、核兵器に対してのタフガイ的な姿勢は、核兵器によって世界が滅びる可能性を明らかに理解していないことである。またそれと相まって、結局のところ毒薬のように有害なものになるであろう。ヨーロッパ核軍備廃絶キャンペーン、米国内の核兵器凍結キャンペーンに始まる前例のないほどの反核運動によってレーガン大統領は方向転換をすることとなった。非常に激しい運動であったので後にレーガン大統領は実質的に核兵器の削減に同意し、「核戦争に勝つことはできないし、また決して核戦争はしてはならない」と認めた。

 

⑤依然としてわからないのは、トランプ大統領に影響を与えるものがあるのかどうかということである。だが、一つ確かなことは、トランプ大統領は攻撃的な物言い(発言)を裏付けるだけの大量の核兵器を所有しているということである。そのうち米軍保有の核兵器のうち4000以上が使用可能である。そのうちのほんの一握りの核兵器が使用されるだけで、北朝鮮の何百万人もの命を奪うことができる。実際、2,300程度の核弾頭でも世界最大の国家に対してでも同じことができるであろう。この4000発の核兵器が、使われるようなことがあれば、地球を破壊することも可能である。

 

⑥言い換えれば、あらゆる意味で、米国の核兵器備蓄は想像を絶するほどの規模の殺傷力を持っているのだ。米国士官学校の独立専門家たちによれば他国が米国に対する核攻撃を開始するのを阻止するには300発の核弾頭でも十分すぎるほどである。

 

⑦このような事実があるにもかかわらず、トランプ大統領は国防省の計画に(さらに)関与している。これはオバマ大統領のもとで立てられた計画で、新世代の核搭載をした爆撃機、潜水艦、ミサイル、およびそれらに搭載する新世代の核弾頭を作るというものである。この「(武器の)近代化」プログラムにかかる費用は?最近米連邦予算事務局は次の30年にわたって1兆7千万ドル(インフレ調整後)かかると見積もった。反核団体「グローバル・ゼロ」代表のデレック・ジョンソン氏は次のように指摘している。「その金は我々が必要としない核兵器備蓄のための金である。」

 

 

 

 

核兵器製造複合産業の構築

 

①なぜそれほど多くの核兵器を求めるのか?実際、大量の米国核兵器備蓄の陰には隠しておくべき秘密がある。その秘密は考えられる戦略的配慮に関係があるというよりも、米国の大手武器製造企業の権力と利益に関わるものである。

 

②核兵器(推進)圧力団体が国防省の支出の優先事項に及ぼす影響は決して今始まったことではない、と知っても驚くことではないかもしれない。戦略爆撃機や大陸間弾道ミサイルの製造業者は納税者の払う税金が軍事産業のほうに流れるようにうまく策略をたてた。このような策略は核時代の初期にまでさかのぼる。この策略がうまくいったため、アイゼンハワー大統領は「軍産複合体」という造語を作り、また1961年の大統領の辞任演説でその危険性について警告をしていた。

 

③このような核兵器の開発がなければ、軍産複合体は現在のような形で存在することはなかったであろう。マンハッタン計画は第2次大戦中に最初の核兵器を作り出した科学と産業による膨大な試みであり、政府の資金援助による史上最も大きな研究・製造プロジェクトの一つであった。今日の核弾頭製造複合体(産業)は今だにその当時作られた施設の周辺と地域に建設されている。

 

④マンハッタン計画はワシントン(米政府)を牛耳るようになった恒常的武器基地の最初の礎石である。さらに、当時もう一つの超大国であるソ連との核軍備競争は、米国が恒久的戦争国家となる論理的根拠には極めて重要であった。その数年間で、マンハッタン計画は兵器基地の建設、資金調達、制度化を支える重要な鍵となった。

 

⑤アイゼンハワー大統領は、辞任演説において、彼の「巨大規模の恒常的軍需産業」が発展したのはごく単純な理由からであったと指摘した。核時代においては、米国は時に先んじて準備態勢を整えておかねばならなかった。アイゼンハワー大統領が言ったように、「我々は国家防衛の緊急事態において即席に対応するという危険を冒すことはできない。」それはごく単純な理由のためであった、核戦争の起こる可能性のある時代では、いかなる社会もほんの数時間で破壊されうる。過去に起こったように、事がおこってからでは軍隊を動員したり、準備をする時間は全くないであろう。

 

⑥加えて、核兵器と核兵器運送手段をさらに増やすことを求めたために、アイゼンハワー大統領がこのような辞任演説をすることになった。それには非常に具体的な道筋があった。アイゼンハワー大統領の最も大きな闘いの一つは新たな核爆撃機を製造するかどうかであった。米空軍と軍需産業は爆撃機を作ろうと必死になっていた。アイゼンハワーは、当時米国がすでに製造中であった他の核兵器運送手段があることを考えると、お金の無駄だと考えていた。さらに、大統領は爆撃機の製造の中止さえもしたが、結局のところは武器製造企業の圧力団体からのすさまじい圧力により爆撃機の製造を復活せざるを得なかった。その過程で、大統領は米国の核構築を抑え、急成長をする軍産複合体を制御する闘いに負けてしまった。

 

⑦同時に情報機関関係者、軍事組織、マスコミ、米議会にもソ連との「ミサイル・ギャップ」(ミサイルの開発技術や、配備数などにおけるへだたり)に関して不満がくすぶっていた。ソビエト政府は大陸間弾道ミサイルの開発と製造においては米国よりもはるかに先をいっていると思っていたからであった。その主張を立証するような決定的な情報もなかった(後にこれは誤りであるとわかった)が、最悪のシナリオが相次いで情報解析(官)によってメディアに漏れたり、吹き込まれたりしたこと、また軍事産業によるプロパガンダによってソ連との間のミサイル・ギャップは当時毎日報道されていた。

 

⑧このような恐怖をさらにかきたてたのはジョセフ・オールソップのような当時のタカ派のジャーナリストやジョン・ケネディとリンドン・ジョンソン、さらにスチュアート・サイミントンのような有力民主党上院議員であった。スチュアート・サイミントンの友人がたまたま航空機メーカーのコンベア社の重役であり、彼の同僚であった、そのコンベア社が、今度は、たまたま大陸間弾道ミサイルを製造していたのだった。結果として、サイミントンは国防省のコンベアがアトラスミサイルをさらに多く製造する計画を推進するために熱心にロビー活動を行った。その一方でケネディはよく知られているように、実際には存在しないミサイル・ギャップを1960年の大統領選挙戦での論争の中心として勝利した。

 

⑨アイゼンハワーはこの件については明確に認識していた。彼はミサイル・ギャップは作り事であるとわかっており、アイゼンハワーによると、ミサイル・ギャップはアイゼンハワーの敵対派には「有益な政治的デマ(大衆扇動)」であった。「軍需産業はもっと多くの契約を取ろうとすさまじい努力をしており、実際に上院議員に過度な影響を及ぼしているように思われる。」と彼は断言していた。

 

⑩ケネディがいったん大統領の座につくと、ミサイル・ギャップなど存在しないということが十二分に明らかになった。しかし、その時までにはすでにほとんど問題ではなくなっており、すでに手遅れでもあった。何十億ドルもの資金が核産業複合体に流れており、米国の核弾道ミサイルの備蓄量は地球上では並ぶものがないほどまでに増強されていた。

 

⑪武器圧力団体と政権内の盟友たちが半世紀以上前に、際限なく増え続ける核兵器への支出をさらに進めようとして用いた手法は今日まで使われ続けている。21世紀の軍需産業複合体が用いている影響を及ぼす方法は、ケネディや当時の米国民にとっては確かにおなじみのやり方だったであろう。つまり、選挙権献金という名目で何百万ドルも米議会議員に流れ、彼らに影響を及ぼすために700から1000人ものロビイストが絶えず雇われているのだ。言い換えれば、その時々で議員一人当たりに対してほぼ二人の武器ロビイストがいることになる。この種の活動の多くが重点を置いているのは、依然としてあらゆる種類の核兵器に十分な資金の調達を確実にすることと、核兵器を搭載する次世代の爆撃機、潜水艦、ミサイルへの資金が順調に調達されることである。

 

⑫従来のロビー活動の手法がうまく行かないときに軍需産業が最後の頼みの綱とするのは雇用である。特に、連邦議会の主要議員の選出州か選出地域の雇用である。この雇用を増やすというプロセスを支えているのは核兵器関連施設が驚くほど米国中に広がっているということからもわかる。カリフォルニア州とメキシコ州には核兵器研究所、ネバダ州には核実験場、テキサス州には核弾頭の組立と分解工場、カンサスシティ(ミズーリ―州)には核弾頭の部品を作る工場、オークリッジ(テネシー州)には核弾頭用の濃縮ウランの工場がある。ジョージア州、コネティカット州、ワシントン州、カリフォルニア州、オハイオ州、マサチューセッツ州、ルイジアナ州、ノースダコタ州、そしてワイオミング州には大陸間弾頭ミサイル、爆撃機、弾道ミサイル搭載潜水艦の工場や基地が存在する。このように地理的に核関連施設が米国中に存在しているために、著しい数の議員が核兵器へのより多くの支出を選出された州に無意識に保証しているのである。

 

⑬現実には、雇用を論拠とすることはかなり欠陥がある。専門家も知っているように、実際に、このような資金が流れ込むほかのいかなる活動も国防総省の支出よりも多くの雇用を生み出す。例えば、マサチューセッツ大学のエコノミストによる研究によると、国防省への資金供出よりも、インフラ投資によって1.5倍、教育への投資では2倍の雇用が生まれる。

 

⑭ほとんどの場合、重要視されていないことは、(国防総省が)軍需産業への予算割り当てによって、雇用を生んでいるということはひどい誇張であり、よりましな(予算割り当ての)代案があっても取り上げられないということである。その雇用創出の根拠は州やコミュニティでは驚くほど強力である、特に国防総省に依存しているところでは強いものがある。おそらく、当然のことではあるが、このような州を選曲とする議員が核兵器や通常兵器への予算を割り当ての決定する委員会のメンバーに選ばれる数が(他の委員会と比べて)つり合いが取れないほど多い。

 

 

 

米政府の核に対する考えに影響を与えるマニュアル

 

⑮核兵器産業が(他の軍産複合体と同様に)、一般の人の論議を操作し、それに注目させるための別のやり方は、タカ派の右派のシンクタンクに資金援助をすることである。武器製造業者にとっての利点はこれらのシンクタンクのような団体とそれに連なるいわゆる「専門家」は客観的な政策アナリストを装いながら、軍産複合体の偽装団体として機能していることである。考えてみると、これはマネーロンダリングの知的バージョンである。

 

⑯非常に費用がかかり、軽率な政策という点からみて、最も効果的な軍需産業の資金援助によるシンクタンクは、間違いなくフランク・ガフニ―の設立したシンクタンク、安全保障政策センターである。1983年にレーガン大統領が最初に「戦略防衛構想」(後に「スターウォーズ計画」と呼ばれる)を公式に発表した。これはハイテクの宇宙兵器システムにより今後ソ連の核の先制攻撃から米国を守るため、あるいは(見方にもよるが)米国が攻撃される恐れなしに核兵器を使用できるようにするものである。ガフニーはこの戦略構想の最も重要な立役者であった。つい最近になって、ガフニーは「イスラム嫌い」をひときわ目立って広めている。しかし、彼のスターウォーズ計画の宣伝活動の影響は、いまだに今後の武器セールスの契約に今日まで感じ取ることができる。

 

⑰ガフニーはレーガン政権時代には国防総省に勤務していた。しかし、レーガン大統領と顧問たちがヨーロッパの核兵器削減の相談を始めると、当時のレーガン政権でさえもガフニーの気に入るほど反ソビエト的ではなかったため、国防総省を辞めた。それから間もなく彼はボーイング社、ロッキード社、および国防総省の契約会社の資金を得て自らのシンクタンクを設立した。

 

⑱核政策分野で主要軍需産業の援助を受けている別のシンクタンクは公共政策研究所(NIPP)である。このシンクタンクはちょうどG.W.ブッシュが政権についた際に核兵器政策に関する報告書を発表した。ブッシュ政権はこの報告書を政権初の核態勢の見直しとしてそのまま採用した。この見直しでは米国の核の攻撃対象となる国を増やすこと、新型核バンカーバスター爆弾を作ることなどを提唱した。当時NIPPはボーイング社から役員を迎えており、所長はキース・ペインが務めていた。キース・ペインは核政策史では非常に評判が悪かった。それは1980年に外交政策研究季刊誌「フォーリン・ポリシー」に共同執筆で「勝利は可能である」という表題の論説を寄稿したためであった。その論説では米国は「たったの」3千万から4千万の命が失われるだけで、実際核戦争に勝利することができると述べた。これが核軍産複合体が自分たちの考えを広めるために選び資金を提供した専門家なのである。

 

⑲またレキシントン研究所もある、これは自分たちにとって好ましくない武器が一切ないというシンクタンクであった。このシンクタンクの顔であるローレン・トンプソンは防衛問題に関するニュースでの発言がよく引用されている。しかし、彼が実は、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンや他の核兵器製造受注業者から資金援助を受けていることはほとんど指摘されていない。

 

⑳これらは武器受注業者から資金を得ている米政府の研究擁護団体のほんの一部である。このような団体には、保守系のシンクタンクであるヘリテージ財団から民主党寄りの新アメリカ安全保障センターまである。このシンクタンクは前オバマ政権時代の政策担当国防次官ミッシェル・フルノイが共同で立ち上げた。(彼女はヒラリー・クリントンが2016年の大統領選に勝利していたならば国防長官に最も近かったと思われている。)

 

㉑ドナルド・トランプが軍需産業との癒着については、まったく躊躇するもないとわかっても驚きはしないであろう。あまりにもあからさまに軍事産業の前役員を政権に強力に登用しようとしたので、ジョン・マッケイン上院議員は大統領が新たに軍事産業とつながりのある人間を任命しようとした場合には強く反対すると最近述べた。トランプ大統領の産業界重視政権には、次のような人物が登用されている。ジェネラル・ダイナミックスの前取締役であったジェームズ・マティスを国防長官、軍事産業数社や、ダインコープ社で顧問を勤めたジョン・ケリーを大統領首席補佐官に。ダインコープ社は民間軍事会社でありイラク警察の(不十分な)訓練から国土安全保障省と契約を結ぶなどあらゆることを行っている。前ボーイング社役員で現国防副長官の、のパトリック・シャナハン、元ロッキード・マーティンの役員であったジョン・ルードは政策担当国防次官に任命され、航空機メーカー、レイセオン前副社長マーク・エスパーは陸軍長官に新たに承認された。ヘザー・ウィルソンはロッキード・マーティンの前コンサルタントであり、空軍長官の座にある。航空宇宙会社テキストロンの前CEOのエレン・ロードは取得、技術、および兵站担当国防次官、国家安全保障会議補佐官に大手防衛・情報請負業者であるCACIの職員であったキース・ケロッグを任命している。CACIでケロッグはとりわけ地上戦闘システムを担当していた。留意しなければならないのはこれらの産業界の大物起用は氷山の一角にしかすぎないということだ。特に国防総省に何十年間も沁みついている「回転ドア」に例えられる繰り返されるシステムはそうである。これは政権に登用されては企業に天下りし、また政権に戻ってくるというものである。(この件はオンライン上の雑誌インターセプターにトランプ大統領就任初期にリー・ファンが書いている。)

 

㉒国家安全保障チームの構成とトランプは核に関することは何でも大好きであることを考えると、核兵器が最優先事項である政権から何が期待できるのであろうか。上述したように、トランプ大統領はすでに国防総省の財政破綻を招きかねない1兆7千億ドルの核兵器増強予算にすでに署名しており、大統領の当面の核に対する方針には危険な新兵器「低出力の核兵器」の提案も含まれている。(これはより有効な核弾頭であると言われている)大統領は私的な会話において国家安全保障チームと核兵器を驚くようなやり方で増大させる、10倍相当まで増強することを話した。大統領はミサイル防衛支出を全面的に受け入れ、さらに何十億ドルもの資金を投入すると約束したのは、すでに過剰に資金を供給し、十分なミサイル製造もしていないミサイル防衛プログラムなのである。もちろん、大統領はイランとの核合意破棄には熱心である。この合意は近年では最も効果的な軍縮協定の一つであるのに、中東での新たな核軍備競争への新たな扉を開こうとしているのだ。

 

㉓長年にわたって築き上げられ、核兵器製造に派手にお金を使うことができなかったのが、今やトランプ大統領によってゴルフの発明以来の最高であるとして後押しされている、核兵器製造にお金を使うことが国民の反対や反核運動、あるいは米連邦議会が行動をおこすことによって止められなければ、厄介なことになるのである。そして、もちろん60年前にそうであったように、人気のあった大統領や勲章を受けた戦争の英雄の反対にもかかわらず、核兵器製造推進のロビー活動は勝利を収めてしまうことになるであろう。そして、言うまでもないことだが、ドナルド・トランプは全くの「骨棘」なのである(トランプ大統領が骨棘ができたと言って、徴兵猶予になったことから:金で徴兵猶予を買い取ったこと)、決してアイゼンハワー大統領のようにはなれないのである。

 

ウィリアム・D・ハートゥングは、TomDispatch の常連執筆者。国際政策センター(the Center for International Policy)の武器と安全保障プロジェクト(the Arms and Security Project)の責任者で、著書に、Prophets of War: Lockheed Martin and the Making of the Military-Industrial Complexがある。

 

翻訳:広島なぎさ高等学校 𠮷村 有生  木本 実佑

監修:英語科 森山 幸

 


Be the first to comment

Please check your e-mail for a link to activate your account.